なぜなぜ期とは?|子どもの思考力、好奇心を育てる答え方を秘伝

親子の笑顔コミュニケーション

「なぜ?」「どうして?」を繰り返す「なぜなぜ期」は、子どもにとって成長のきっかけとなる大切な時期。

それは分かっている!けれども・・・

「なぜ?」「どうして?」と聞かれたとき、どう答えるのがよいのか?

が分からなくてイライラしてしまった。

そんな悩みありませんか?

子どもの成長の芽を摘まないためには、どのように付き合い方をご紹介しますね。

なぜなぜ期とは?

「なぜなぜ期」 とは、2歳から6歳ぐらいの子どもが身の周りの現象が不思議に思えて「なぜ?」「どうして?」と繰り返し 質問が増えてくる時期です。

この時期に人間の脳が著しく発達することと関わりがあると言われ、 心理学では「質問期」と呼ばれています。

年齢
(個人差あり)
時期 発言理由 発言例
1〜2歳頃 命名期 名前を知りたがる 「これ、何?」
2歳前後 イヤイヤ期 自己主張したがる 「イヤだ!ダメ!」
2歳から6歳頃 なぜなぜ期
※心理学では質問期
現象を知りたがる 「どうして、・・・なの?」

このようなステップで言葉を話せるようになってから、「なぜなぜ期」と呼ばれる時期がやってきます。

「なぜなぜ期」は脳が発達する大事な時期

イヤイヤ期が過ぎたと思えば、なぜなぜ期に入り「なんで?、どうして?」を連発されるとうんざりしてしまうこともるでしょう。

しかし、「なぜなぜ期」は、子どもの知的好奇心や学習意欲を一気に伸ばすことができるチャンスの時期です。

人の脳は、3~4歳の頃に成人のおよそ80%、5~6歳の頃におよそ85%と、大半が成長するといわれています。

そのため、脳に知識を取り込む「なぜなぜ期」の大人の応答は、子どもの人生に関わる大切なことです。

「なぜなぜ期」の答え方3ポイント

子どもは、正解が知りたくて質問しているのではなく、あくまでも疑問に思ったことを口にしているだけです。そのため、難しく答えることより、気持ちに寄り添うことが、子どもの好奇心や思考力を育みます。

子どもからの「なぜ?」や「どうして?」という疑問にはどう答え方3ポイントを紹介します。

1. すぐに答える

子どもに質問されても、忙しくてすぐに答えられないこともあります。しかし、回答を後回しにすると、答えてくれなかったことに落ち込みます。

また、時間も経ってから回答しても、子ども自身が質問したことを忘れているかもしれません。

子どもの信頼感を得て、知的好奇心を育てるためには、その場で答えるのがベストです。

すぐに答えられる質問なら、その場で答えてあげてください。

2. 一緒に調べる

ママやパパにも知らないことってありますよね。

そんなときは「一緒に調べて みようか」と言って、ネットや図書館などで一緒に調べてください。

とはいえ、ネットや辞書などには、子どもが読めない漢字や、難しい言葉が多く使われているので、絵本や図鑑を使って説明すると理解が深まります。

一緒に調べることで、質問の答えが分かるだけではなく、「調べる方法」を自然と身に付けることができます。

3. 逆質問する

誠実な返答してあげることが大切です。でも、「誠実な返事」=「正解・真実」である必要はありません。

時には「なぜ?」と聞いてきた子どもに、「なんでだと思う?」と質問返しをするのもよいでしょう。

ある程度の年齢になると、自分で考えたり調べたりて、考える力を養う近道になります。

自分が出した結論は、きっとママやパパに教えてくれるので、ぜひ真剣に聞いてあげてください。

次第に、子どもは、自分なりに考えた上で「こう思うんだけど、ママは『なぜ』だと思う?」と、質問できるようになるでしょう。

この会話が親子でできるようになれば、論理的なプレゼンテーション力が身についてきます。

なぜ、パパ・ママは「なぜなぜ」に困るのか?

子どもの全ての「なぜなぜ」に丁寧に答えるのがベストですが、時には返事に困ってしまうこともあります。

では、なぜ困ってしまうのでしょうか。

次の3つのパターンの質問が絡み合って答えられない状況になっています。

どう説明したら良いか分からない質問

大人は、日常のことを「当たり前のこと」と考えてしまい、もはや「なぜ?」とも思わなくなっているものです。そのため、改めて聞かれても、答えられません。

たとえば、

パパの誕生日に家族で「ケーキ」を切り分けていました。

いつもは「寝る前にお菓子は食べたらダメ!」と注意されるのに、なんで夕食後なのにケーキを食べるように勧めてくるのだろう? これはもう、根掘り葉掘り質問したくなってしまいます。

「ケーキってお菓子だよね?」

「ご飯食べたからもうすぐ寝るよね?」

「どうして、寝る前にケーキを食べてもいいの?」

この手の質問には、 答えに窮しますね。

返答方法の一案

説明できない「なぜなぜ」への答えは、テキトーで大丈夫です。

誕生日は特別なんです。特別だから「我が家では、みんなでケーキを食べるようにしてるの」と、パパ・ママが思っていることを伝えるだけで十分です。

※「ケーキを食べていい」説明理由を考えるより、家族の絆を伝えた方が楽しくなります。

専門的な質問

ときには、鋭い専門的な質問もあります。ママ・パパ でも、調べないと分からない質問もズバズバ聞いてきます。

たとえば、

自然の豊かな街で、夜空を見上げたら、数点もの星々が輝いています。

「 どうして、星は輝いているの?」

「地球も星だよね?」

「どうして地球は光ってないの?」

この手の専門的な質問には、回答に窮しますね。

そして、次のようにスラスラと返答できるパパ・ママも、少ないでしょう。

星には、惑星・衛星・恒星の3つがあって、恒星 は自分で光を出すけど、惑星・衛星は恒星の光を反射して輝いているだけです。

輝いて見えているほとんどの星は、太陽のような恒星です。恒星のほとんどは、水素でできていて、水素が核融合を起こしているときに、熱と光が出ているのです。それで、星は光って輝いて見えるんですよ。

たとえ、答えたとしても、聞いている子どもは意味不明・・・なだけです。

返答方法の一案

「星が輝く理由」ではなく「星が輝いている結果」について話してあげましょう。

子どもは、目に見えない理由より、目に見える結果の方が、ずっと身近に感じます。

その時は「色んな星があって綺麗だね!」と観賞に浸って、次の日には 宇宙図鑑や宇宙科学館などに行っていっぱい遊びましょう。

科学が好きになるためのチャンスです!

知るはずがない質問

子どもは、大人だったら何でも知っていると思っています 。そのため、「なぜ?」と思ったことは全て聞いてきます。

たとえば、

空を自由に羽ばたいている鳥を見て、「どこにまで飛んでいくのだろう」と考えたことはありませんか。大人は、考えても分からないと知っているので、気にも留めません。

一方、子どもは「なぜ?」と思ったことは、全て聞いてきます。

「あの鳥は、どこに飛んでいくの?」

どう頑張っても答えられませんね。

だからと言って「そんなの、知らないよ」では、身も蓋もありません。

返答方法の一案

こんな時は、空想のお話しをして楽しみましょう。

「きっと、宛てのない旅をしてるのよ」「なんか寂しそうだもんね」「故郷は葛飾柴又かな」。

子どもは空想が大好きなので、きっと喜んでくれます。

子育てにおススメの書籍

子どもに伝わるスゴ技大全

これさえあれば、具体的に幸せな家庭が築けそうとイメージできるベストセラー1位の子育て本です。「声かけテクニック」なので、2歳くらいのお喋りができるようになってきた子向けの内容が多いです。

オススメ度  ★★★★★(4.7)

1人でできる子になるテキトー子育て

「テキトー」とは、単にのびのびと自由に育てましょうと言っているのではなく、科学的根拠をベースとした育児法のことです。「頭の良い子」「勉強が出来る子」に育てないと!と、がんじがらめになっている親たちを楽にしてくれます。

オススメ度  ★★★★★(4.7)

子どもが育つ魔法の言葉

子どもへの愛が詰まっている本です。 親の余裕が生活に直結しているかを感じれます。 子どもへの態度を思い返し、子どもの話を真剣に聞く薬になります。

オススメ度  ★★★★★(4.5)

まとめ(なぜなぜ期)

なぜなぜ期は、子どもの思考力、好奇心を育む大事な成長の時期です。

本当の正解やあまり難しく答えても、ほどんどの子どもは理解できません。 難しく考えず、気持ちに寄り添うことを一番大切にしましょう。

この記事をここまで読んで頂きありがとうございました。

最後に、21世紀を築く子どもを愛する親御さんへ、私が尊敬する宮沢賢治の言葉を添えてペンを置くことにします。

求道、すでに道である




「なぜなぜ期」に興味のある方はこちらの記事も読んでいます