21世紀型スキルとは?|時代を生き抜く3層の力【21世紀型スキルの違い】

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21世紀型スキルという言葉を聞いたことはありますか。

IT・AI(人工知能)やグローバル化が目まぐるし進展する中、先の見えない社会で、次代を担う人材を残すには「21世紀型スキル」は欠かせません。

21世紀型スキルとは何か、について詳しくご紹介しますね。

21世紀型スキルとは?(21世紀型能力)

21世紀型スキルとは、21世紀を生き抜くために必要な能力です。

情報社会の中で起こる問題・課題を見つけ出し、自ら考え、自ら行動して、解決へ導けるスキル」になります。

日本でも、「21世紀型能力」と定義して教育目標を下記のように示しました。

社会の変化に対応できる汎用的な資質・能力を教育目標として明確に定義する必要がある
○ 人との関わりの中で課題を解決できる力など、社会の中で生きる力に直結する形で、教育目標を構造化する必要がある
○ 資質・能力の育成は、教科内容の深い学びで支える必要がある

引用:教育課程の編成原理と「21世紀型能力」

次世代を担う人材に21世紀型スキルを身に付けるために、21世紀にふさわしい学び(文部科学省)として、次の3層構想が定義されました。

  1. 基礎力:知る能力
     →言語スキル・数量スキル・情報スキル
  2. 思考力:考える能力
     →問題の解決や発見、新しいアイデアの生成
  3. 実践力:行動する能力
     →自分の行動を調整、主体的なコミュニケーション

これらの3つの能力は、相互に関連しながら高め合っていきます。

具体的には以下の能力になります。

1.基礎力

基礎力は、言語・数量・情報(ICT)を目的に応じて道具として使いこなす力のことです。

従来の「読み書き」「計算力」に加え、「情報を使うスキル」が含めています。

基礎力は、21世紀型スキルの土台であり、日常生活における言語・数量・情報リテラシーが必要です。

2.思考力

思考力は、「一人ひとりが自ら学び判断し自分の考えを持って、他者と話し合い、考えを比較吟味して統合し、よりよい解や新しい知識を創り出し、さらに次の問いを見つける力」(引用:国立教育政策研究所)と定義されています。

論理的・批判的思考力、問題発見解決力・創造力、メタ認知から構成される力です。

自ら問題の解決や発見し、新しいアイデアを理論的に生成する能力が必要です。

3.実践力

実践力とは、「日常生活や社会・環境の中に問題を見つけ出し、自分の知識を総動員して、自分やコミュニティ、社会にとって価値のある解を導くことができ、解を社会に発信し協調的に吟味することを通して他者や社会の重要性を感得できる力」(引用:国立教育政策研究所)と定義されています。

当たり前のことですが、問題解決をするために、実社会で責任を自覚して行動する能力です。

  • 自律的活動力
  • 人間関係形成力
  • 社会参画力
  • 持続可能な未来づくりへの責任

子どもが生きていく実社会で、出会う様々な人々と協力して、あらゆる問題を解決していく能力が必要です。

「生きる力」と「21世紀型能力」の違い

「生きる力」は、中央教育審議会にて、次の3つなどであると示しています。

  1. 基礎・基本を確実に身に付け、いかに社会が変化しようと、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力
  2. 自らを律しつつ、他人と共に協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性
  3. たくましく生きるための健康や体力

このことから、「学力」「豊かな心」「健康な体」の調和をもって「問題解決」を実施することと、考えられます。

生きる力と、21世紀型スキルを比較してみると比較してみると、次のようになります。

生きる力 21世紀型能力
確かな学力 確かな学力
豊かな心 豊かな心
健康な体
テクノロジーの活用
問題解決 問題解決

健康な体と、テクノロジーの活用に違いがあります。

とはいえ、「21世紀型スキル」は、定義されていないだけであり、健康な体のもとで発揮される能力です。

時代の転換期をむかえ、様々な教育方針が示されていますね。教える側や親の立場からしたら、どう教えたら教えたらイイのか困ってしまいませんか。この本は、目指す方針を正してくれます。

オススメ度  ★★★★★(4.1)

21世紀型スキルを代表するプロジェクト・団体

日本の「21世紀型能力」以外にも、世界では様々な「21世紀型スキル」が取り組まれています。

  • ATC21s:ロンドンで発足したプロジェクト
  • P21:アメリカの非営利団体

ここでは、2つの21世紀型スキルを紹介しますね。

ATC21sとは?

ATC21s(Assessment and Teaching of 21st-Century Skills=21世紀型スキル効果測定プロジェクト)」は、2009年1月にロンドンで発足した、21世紀型スキルを定義しているプロジェクトです。

この団体には、アメリカなどの政府や大学、Microsoftなどの企業も参画しています。

ATC21sでは、21世紀型スキルを思考の方法、仕事の方法、仕事のツール、社会生活の4つのカテゴリで定義しています。

1.思考の方法

2.仕事のツール

新しいテクノロジーを活用(集結させたり、拡張させたりする)できることが求められます。

3.仕事の方法

自らを律し、他人と協調する能力が求められています。

4.社会生活

  • 地域と国際社会での市民性
  • 人生とキャリア設計
  • 個人と社会における責任(文化に関する認識と対応)

変化の目まぐるしい社会を理解し、時代に適応していく能力が求めらています。

P21とは?

P21(Partnership for 21st Century Skills=21世紀型スキルパートナーシップ)」は、2002年にアメリカで発足した非営利団体です。

全ての子どもが21世紀に必要な能力を身につけられるように、マイクロソフト、シスコシステムズ、アップル、オラクル、インテル、デルなどといったIT企業の主導で、21世紀型スキルが提唱されています。

P21が提唱する学習領域は、「3つのR」と「4つのC」、「基礎科目」と「21世紀のテーマ」に分類されます。

項目 学習領域
3つのR 読み、書き、代数
4つのC クリティカルな思考と問題解決力、コミュニケーション、コラボレーション、創造性と革新性
基礎科目 国語、外国語、芸術、数学、経済、科学、地理、歴史、政治と市民活動
21世紀のテーマ 世界についての知識、財務・経済・ビジネス・起業の知識、市民としての知識、健康についての知識、環境についての知識

各21世紀型スキルと、社会人基礎力の違いは?

社会人に必要な能力として、経済産業省が定めた社会人基礎力があります。

社会人基礎力は、次の3つで定義されています。

  • 前に踏み出す力:アクション
     →一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力
  • 考え抜く力:シンキング
     →疑問を持ち考え抜く力
  • チームで働く力:チームワーク
     →多様な人と共に、目標に向かって協力する力

それぞれのスキルを比較すると次のようになります。

21世紀型スキル 社会人基礎力
21世紀型能力 ATC21s P21
基礎力 仕事のツール
3つのR
基礎科目
思考力 思考の方法 4つのC 考え抜く力
実践力 仕事の方法 チームで働く力
社会生活 21世紀のテーマ
前に踏み出す力

全体的に、思考から実践することが重視されていることが分かりますね。

社会人基礎力には、基礎力に相当するものは必要なさそうです。社会人だから、理解していて当然と判断されているのかもしれません。

とはいえ、社会人にも基礎力は必要です。

実際に、2015年に国立教育政策研究所が発表した「資質・能力を育成する教育課程の在り方に関する研究報告書1」には、21世紀型スキルは、「全ての人に求められるものだ」と示されています。

 普通に生活していても、他者との関係は必ず生じますよね。ましてや、異文化の方と交流するのはストレスを感じているかもしれません。
 「自分は、何も分かってなかったんだな・・・」と衝撃を受ける程のおススメの本です。

 オススメ度  ★★★★★(4.7)

まとめ(21世紀型スキル)

第4次産業革命の最中、変化の激しい社会では、学んだ知識を使って問題を解くことには価値はなく、その知識を使って新しい答えを生み出すことが求められています。

21世紀型スキルは、「協調的問題解決力」に「ICTを用いて見える化」したスタイルのものといえます。

すでに、タ ブレット端末を導入している自治体や学校も多くあり、国全体で「21世紀型スキル」の「テクノロジーの活用」を目指しています。

みんなで新しい時代を創っていきましょう。

この記事をここまで読んで頂きありがとうございました。

最後に、21世紀を創る皆様へ、私が尊敬する宮沢賢治の言葉を送らせてください!

「新たな時代のマルクスよ。これらの盲目な衝動から動く世界をすばらしく美しい構成に変えよ




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