STEM教育とは?|STEM(ステム)教育の受ける方法とは!?
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「STEM(ステム)教育」は、21世紀とういう新しい時代の教育として、アメリカ・EU・オーストラリア・中国・香港・ベトナムなど、世界各国で導入されています。
STEM教育とは、子どもがロボットやITなどの科学技術に触れて「自分で学ぶ力」を養う新しい時代の教育方法です。
アメリカなどの新興国では、数年前から推進して教育カリキュラムでSTEM教育が実践されています。
でも・・・なんだか、
- STEM教育って、どのような教育方法なんだろう?
- 似たような言葉の教育とはどう違うだろう?
- 子どもにSTEM分野を学ばせたいときはどうしたらイイのだろう?
- 日本のSTEM教育はどこまで進んでいるのかな?
などなど、 いろいろとSTEM教育については、フワフワした感じになっている方が多いのではないでしょうか。
少しでも理解を深めれるように、説明していきますね。
-Contents-
STEM教育とは?
STEM教育とは、科学技術と創造力・問題解決力の結びつきを高めることで次世代を担う子どもたちの「生きる力」を育てる総合教育です。
S:Science(科学) ・・・ 実験・観察をもとに法則性を見つけ出す
T:Technology(技術) ・・・ 最適な条件・しくみを見つけ出す
E:Engineering(工学) ・・・ 物理的に、社会に役立つモノをつくり出す
M:Mathematics(数学) ・・・ 数量を使用して、論理的な表現を行う
STEM教育は、科学・技術・工学・数学の頭文字を取った言葉で、将来の科学技術の発展に寄与できる人材を育てることを目的とした教育プランのことを呼びます。
これら4つの教育分野に力を注ぐことで、IT化やグローバル化に適応した人材を多く生み出す21世紀型の教育です。
STEM教育の特徴
STEM教育で、これまでと異なる教育システムに求められる特徴は次の3つがあります。
このように、ただ単に「科学技術」や「IT技術」に秀でた人材を育てることだけが目的では無いということです。
それでは新しい教育システムの特徴を一つ一つ説明していきますね。
4つの教科を横断的に学ぶ
密接な関係がある4教科のSTEM(科学・技術・工学・数学)教育を究めることが、「理系というとスペシャリスト」というと、「論理的な思考力を究める!」というイメージが強いですよね?
IT化されてゆく第4次産業革命には、そのようなスペシャリストは不可欠な存在です。
それだけではなく、Society5.0の時代をむかえようとしている社会では、総合的な理系の知識を持って仕事ができるジェネラリストが必要とされるのです。
今の子どもには酷かもしれませんが、これからの時代を「生きる力」を身に付けていくには、並み大抵な努力ではできません。
さらに、Society5.0時代において、STEM教育はプログラミング的思考(情報扱い思考)を内包しています。
そのため、プログラミング教育とSTEM(科学・技術・工学・数学)教育は密接に横断的な関係があるのです。
自発的な教育
これまでは教員から生徒へ一方向的に講義が行われていましたが、STEM教育ではアクティブラーニングといって子どもが能動的・主体的に講義に参加する学習法です。
しかし、教員が一方的に教えても、生徒たちに「やらされている感」を抱き、科学・技術・工学・数学に対して苦手意識を抱いてしまう可能性があります。
学校では、体験学習、調査学習やグループワークやディベートなどの学習法が採用されています。
STEM教育の目的は「自ら考え、自ら行動した上で、問題を解決する能力を身につける」ことです。
いくら数学や理科の学習ができても、それが机上のテストだけで終わっては、STEM教育の目的は達成されません。
AI(人工知能)が発達していく時代を生きる子どもたちは、自発的な思考力を養っていかなければなりません。
自分で新しい課題を見つけ出す力が、やがて自身の「生きる力」になるのです。
体験して、より論理性を高める
STEM教育で身に付ける論理的思考は、Society5.0の時代において必要になるスキルです。
はじめて見聞きする科学現象を「なぜ・どうして?」と疑問に感じることはありませんか。
特に、好奇心旺盛な子どもたちであれば、あらゆる物事に疑問をもって成長していきますよね。
しかし、日本の教育課程では、科学の実験などの経験による学習は、小学高学年や中学生で行われます。
これを好奇心旺盛な幼少期〜小学生のうちに、理数系4つの分野を重点的に学ぶことで、「なぜ・どうして?」を論理的に考えることができる様になりますよね。
その論理が、テクノロジーとしてSociety5.0の時代を幅広い分野で支えてくれる源なのです。
STEM教育のバリエーション
子どもたちに幼いうちからSTEM教育を受けさせる最大の目的は、世界に通用する人材を育て、日本のものづくりを衰退させないことです。
STEM教育には、似た言葉でバリエーションを加えた教育が存在します。
「少し聞いたことがあるけど、どのような違いがあるの?」と戸惑うことも多くありませんか。
そこで、代表的な教育を4つだけ紹介していきますね。
1.STEAM(スティーム)教育
STEAM教育は、高度技術者を育てるにはSTEM教育だけでは不十分と考えられてから派生した教育です。
STEM(ステム)教育に「A:Art(芸術)」を追加して、STEAM(スティーム)教育と成っています。Art(芸術)と言っても、単に絵を描くとか、演奏するということではありません。
芸術の本質である「なぜ美しいと思うのか?」「人は何が幸せなのか?」といった哲学(A)と、科学(STEM)を結びつけることです。
たとえば、
今や、私たちの生活は科学に囲まれています。
時には在宅ワークなどで出社しなくても仕事ができるほど便利になってきました。
でも、人が対面で会わずにパソコンの画面や電話だけで会議が済んでしまうのは、人間関係が希薄な社会を生んでしまっているのではないか?
これは、人として幸せなのだろうか・・・?
このように考え(哲学)、テクノロジーを生かしていくことです。
科学のSTEM分野にArt(芸術)という分野を加えることで、科学だけでなく創造的でクリエイティブに、新しい発想でモノづくりを行える人材を育成できる教育を行うことを目的としています。
2.STREAM(ストリーム)教育
STEAM(スティーム)教育は、Society5.0という時代を切り開くために、STREAM(ストリーム)教育へと派生してきました。
つまり、STEM教育に、「A:Art(芸術)」と「R:Robot(ロボット)」を追加してSTREAM(ストリーム)教育と成っています。
現代、AI(人工知能)、ロボットはめまぐるしく進化しつづけ、Society5.0ではロボットが仕事をする時代になるでしょう。
そんな時代では、技術者ならずともロボットを使いこなせることが必要不可欠になってきます。
特にプログラミングは、STREAM分野と深く関係していることもあり、「ものづくり」において重要視される教育分野です。
たとえば、
自動車を走らせるときは工学の知識を前提にプログラミング(ロボット)を行う必要がありますし、ゲームをプログラミングするにも条件を元に工学・数学の知識を使って計算を行っていきますね。
もし、プログラムでキャラクターをつくる場合は、デザイン(芸術)も必要になります。
STREAM教育で「ロボットのデザイン・分析・組み立て・使用までの一連の流れ」を深く学ぶことは、子供たちがSociety5.0を生きる力を身に付けることです。
3.eSTEM(イーステム)教育
STEM教育に、「environmental(環境)」を追加してeSTEM(イーステム)教育と成っています。
一口で環境と言うと、エコの話しと思われがちですが環境教育の分野は幅が広いのです。
たとえば、
異常気象や森林破壊など自然環境、公害問題など産業環境に関する分野や、人間関係や生きがいなどの生活環境の問題、デジタル社会におけるネット環境など、身近なものから世界規模の大きなものまで、あらゆる環境について学びます。
eSTEM教育は、テクノロジーの向上だけでなく、環境に配慮したよりよい社会を作れる人材の育成が目的です。
環境に配慮ができた上でテクノロジーを活用することが、全ての人が安心して生きられる社会にすることに繋がりますね。
4.GEMS(ジェムズ)教育
GEMS(ジェムズ)とは「Great Exploration in Math and Science」の略称であり、女性のSTEM分野への進出をサポートするプログラムに成ります。
女性の社会進出や男女平等の社会づくりが求められている中で、世界的にSTEM分野へ進出する女性の割合が少ないことが課題です。
GEMS教育では、子どもたちが自ら実験や観察を企画して行うことで、単に数学・科学分野の知識を身に付けるだけでなく主体的に学ぶ意欲やコミュニケーション能力などを育てるねらいがあります。
GEMS教育は、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校で始まった教育手法でしたが、日本でも、2001年から公益社団法人日本環境教育フォーラム(JEEF)に「GEMSセンター」が設置されて、多くのプログラムが実施されています。
STEM教育を受ける方法は?
日本では小学校でのプログラミング教育が必修化しましたが、アメリカなどと比べれば「STEM教育」の認知度は低いといえます。
また、現実として、STEM分野での就労の男女差は問題です。
STEM教育は遊びながら学べるものや、ものづくりや実験など様々な体験をするものなどがあります。
子どもの頃は、専門技術を身に付けることよりも、STEM教育を通じて自発性と論理的思考力という「生きる力」を身に付けることで、将来の人生が大きく変わります。
そのため、STEM教育であれば、科学(S)・技術(T)・工学(E)・数学(M)のどの分野でも大差はありません。
子どもの興味がある分野で学ばせてあげてください。
1.おススメのSTEM教育スクールは?
こちらの記事に、STEM力が、しっかり身に付くスクールを厳選して紹介していますので読んでみてください!
2.ご家庭でのおススメのSTEM講座は?
この第4次産業革命の真只中、これからは、子供たちが自分の将来をしっかりと創り上げる教育が重視されています。
STEM教育での識能は、子どもや日本の未来の財産になります。
ご家庭でSTEM教育が受けれる講座をまとめてますので、比較して検討してください。
3.STEM教育用のおもちゃは?
おもちゃと言っても、最近はハイスペックなおもちゃが多くあります。
STEM教育は、子どもが楽しく学ぶことが一番です!
おもちゃで遊びながらSTEM力を身に付けるのは素晴らしいことですね。子どもに合ったおもちゃ選びに役立ててください。
4.ご家庭でのSTEM教育の方法は?
身の周りにSTEM教育のヒントが溢れているものです。
家庭でのSTEM教育が、将来の子どもの「生きる力」の差に繋がっていきます。
こちらの記事に、ご家庭で楽しくSTEM教育を学べる方法を紹介しています。「society5.0」を創り上げる皆さんのお役に立てたら幸いです。
5.子ども用タブレットで遊ぶ
タブレットであれば、勉強嫌いの子どもでも、興味を持ちやすいのが魅力ですよね。
さらに、タブレットは、学校や塾でもオンライン授業でも不可欠な学習アイテムとなってきた中で、「子ども用タブレット」は、ICTの基礎や情報リテラシーを学ぶ絶好のツールになります。
最近の「子ども用タブレット」はハイスペックなので、おもちゃと言わずに扱うことは、間違えなく高いSTEM力をつかむきっかけになります。
日本のSTEM教育の導入状況は?
日本でのSTEM教育の導入は、海外に比べるとかなり遅れていますが、ようやく文部科学省の取り組みが進められ始めた状態です。
について、説明していきますね。
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の設置
文部科学省が指定した先進的な理数教育を学ぶ高校です。
大学と共同研究や、創造性・独創性を高める指導を行います。
全国に200以上の指定校があります。
STEM教育研究センター
埼玉大学において、2002年にSTEM教育研究センターを開設しました。
「STEM教育の学習内容の体系化」や「STEM教育の指導者の育成方法」などを研究しています。
小学校・中学校・高校でのプログラミング教育必修化
2020年度~2022年度にかけて必修化されました。
必修化の目的は、「やりたいことを実現するために、一つ一つの動きに対応した記号を選び、必要な動きの組合せを考え、さらにどのように改善していけばいいのか、といったことを論理的に考えていく力」であるプログラミング的思考を育むことです。
他にも、国際科学技術コンテスト、グローバルサイエンスキャンパス(GSC)などの設置もSTEM教育の一環だと考えられます。
また、国家レベルでのSTEM教育の導入は遅れていますが、民間企業では様々な企業がSTEM教育に関するサービスや活動を開始しています。
しかし、こういった科学技術教育の充実を図る文部科学省の活動は決して大規模な活動とはいえず、「まだまだ積極的とはいえない」と指摘せざるを得ません。
このような時代の波に乗り遅れないためにも、今のうちにSTEM教育についての理解を深めていくことが大切ですね。
まとめ(STEM教育で子どもの未来を)
現状ではSTEM教育の導入に後れをとっている日本ですが、テクノロジーの発展とともにSTEM教育は必ず普及していきます。
実際にはじめようとすると、「2~3才のうちの子どもにプログラミングをさせるのは、早いのではないか・・・」と不安がよぎるかもしれませんね。
しかし、タブレットでブロックを動かしたりと、小さいうちからできるような簡単な操作です。
重要なのは、子どもが「自分で学ぶ能力を養う」ことです。
自分で触れて、自分で操作して、自分で考える。
そのような能力を育むことで創造力や独創性を芽生えさせ、活躍できる人材として成長できるものです。今からSTEM教育について準備をはじめて、Society5.0を「生きる力」を正しく身に付けてください。
この記事をここまで読んで頂きありがとうございました。
最後に、Society5.0を切り開く皆様へ、私が尊敬する宮沢賢治の言葉を伝えさせてください。
「ああ諸君はこの颯爽たる 諸君の未来圏から吹いて来る 透明な清潔な風を感じないのか 諸君よ 更にあらたな正しい時代をつくれ」