【社会人必須】ITパスポート試験とは?|申込み方法から勉強法について

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ITパスポート試験は、ITを活用する「全ての人」を対象にした試験です。

ITパスポート試験に合格していると、ITの基礎知識から経営の基礎知識の幅広い基礎知識を持っていることの証明になります。

未経験からIT業界で働きたい人や、未経験からITエンジニアを目指したいという人におすすめの資格となっています。

ここでは、ITパスポート試験の内容やITパスポート試験のメリット、難易度、勉強法、受験方法などを紹介していきます。

1.ITパスポート試験とは?

ITパスポートは、ITを活用して働く社会人が、基礎的なIT知識を証明する国家資格です。

経済産業省が認定する「情報処理技術者試験」のうち最も簡単なエントリーレベル(最も難度が低いレベル)となっており、業界や職種にかかわらず、全ての社会人を対象にしています。

通称Iパス(アイパス)と呼ばれ、IT未経験者・初心者向けであり、ビジネス社会に必須のIT基礎知識が学べるため、社内研修に取り入れる企業も多く、さまざまな業界・業種で注目されています。

そのため、IT系に就職しなくとも、これから就職・転職を検討している人は、取得しておくことで自らの社会人力を評価してもらえる資格です。

☆ITパスポート公式サイト:ITパスポート試験

2.ITパスポート試験を取得するメリット

ITパスポートのメリットは、学習するIT知識が社会に出て役に立つことです。

現在は、日常生活でもIT技術が不可欠な時代です。特に、仕事を行う際は、あらゆる業種・職種において必須になっています。

そんな時代の中、ITパスポートは「ITに関する基礎知識を証明してくれる国家試験」ですので、あらゆるシーンで信頼を生み出すことができます。

具体的に、どのようなシーンでメリットがある資格なのか紹介していきます。

2.1 ITに関する幅広い基礎知識が身につく

ITパスポート試験では、経営全般・IT管理・IT技術といった幅広く、ITの基礎知識が問われます。そのため、資格取得の学習を通して、自ずとITに関しての基礎知識が深めることができます。

何事も基礎というのは重要です。ITの基礎知識を理解しなければ、エンジニアやプログラマを目指すことはできません。資格取得を目指して基礎知識を学習していくことは、IT業界で働くためのベースづくりになっています。

2.2 あらゆる仕事でも取得を推奨している

ITパスポート試験は、IT系業界以外でも有益な資格です。

事務系などの職種の方でも、ITから逃れることはできない状況になっています。そんな中、ITの基礎知識が無く、業務で法令に違反してしまい、会社に大損害を与えてしまうというケースも多々聞きます。

ITにおける基本の情報リテラシーやセキュリティ対策を知っておくことは、信頼をかいます。

実際に、私が、大事な仕事を任せたいときは、仕事が早い人よりも、ITパスポートも持っていて情報リテラシーが分かっている人に仕事を任せたいと考えるでしょう。

当然、未経験からプログラマになるためも、プログラマになる基礎知識があるという証明にもなります。

ITパスポート試験の資格取得は、あらゆる仕事においてメリットになってきます。

3.ITパスポート試験の受験案内

受験案内 説明
試験時間 120分
問題数 100問
試験方法出題形式 CBT方式 四肢択一
合格基準 ①と②を両方を満たしていること

①総合評価点
 600点以上(1,000点満点)

②分野別評価点
 ストラテジ系
  300点以上(1,000点満点)
 マネジメント系
  300点以上(1,000点満点)
 テクノロジ系
  300点以上(1,000点満点)
合格率 60%前後

3.1 試験時間と問題数

試験は、120分の間に、100問の問題解きます。

選択式ですが計算問題があるため、時間が掛かってしまう問題もあります。一つの問題に長く悩みすぎないようペース配分に気を付けて下さい。

試験構成

  • ストラテジ系(経営全般):35問程度
  • マネジメント系(IT管理):20問程度
  • テクノロジ系(IT技術):45問程度

の 小問100問で構成されています。

分野内容については、5章でそれぞれの詳細をご紹介します。

3.2 試験はCBT形式

CBT方式( Computer Based Testing )は、コンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いて解答する方式です。

ITパスポート試験では、4つの選択肢の中から1つを選んでいきます。

なんだか「イメージがわかない・・・」という人は、こちらでCBT疑似体験ソフトウェアが用意されていますので、試してみてください。

CBT疑似体験ソフトウェア

注:身体の不自由等によりCBT方式で受験できない人は、春期(4月)と秋期(10月)の年2回、筆記方式の受験をすることができます。

3.3 合格基準

ITパスポート試験の合格基準は、総合評価点600点以上かつ、分野別評価点もそれぞれ300点以上であることとなります。

つまり、次の①と②の両方を満たしていなければ合格できません。

①総合評価点

  • 600点以上/1,000点(総合評価の満点)

②分野別評価点

  • ストラテジ系 : 300点以上/1,000点(分野別評価の満点)
  • マネジメント系 : 300点以上/1,000点(分野別評価の満点)
  • テクノロジ系 : 300点以上/1,000点(分野別評価の満点)

総合評価点で600点以上/1,000点になりますが、各3分野ですべて300点以上/1,000点をマークしなければいけません。

各分野でバランス良く60%以上の正解率があれば、総合評価点をクリアできる」と考えて解答するのが望ましいでしょう。

3.4 合格率

ITパスポート試験公式サイトから引用した、令和3年4月~令和3年6月の合格率となります。

  • 社会人:62.2%
  • 学生:44.7%
  • 平均:57.5%

出典:ITパスポート試験結果

半数以上が合格する国家資格としては比較的かんたんな試験ですが、試験範囲が大変広く、専門用語も多く出題されるため、しっかり勉強して試験をむかえましょう。

4.ITパスポート試験の概要

概要 説明
受験資格 なし(誰でも受験可能)
受験料 5,700円(税込)
試験会場 全国47都道府県の計116カ所  【試験会場一覧】
試験日 ほぼ毎日(受験可能日は試験会場によって異なる)

4.1 受験資格

ITパスポート試験には、受験のための条件はありません。
年齢制限もなく、誰でも気軽に受けることができます。

4.2 受験料

5,700円(消費税込み)です。※2021年8月時点

受験料の支払いには、クレジットカード、コンビニ決済、バウチャーから選択可能です。

一度支払ってしまったら、払い戻しできませんので注意してください。

4.3 試験会場・試験日

会場は全国各地に計106か所以上設置されており、試験日は会場によって異なります。

  • 試験会場:全国47都道府県の中から自分の希望で選択
  • 会場申込期限:受験日の3か月前から前日まで

このように、好きな日に好きな場所で受験できることから、ついつい申し込みを直前にしてしまいがちです。ただ、希望する会場が定員になってしまうことがあります。

そのため、早めに希望日と希望会場を決めて予約しておきましょう。そのことで、目標も明確になり勉強の計画も立てることができます。

5.ITパスポート試験内容

ITパスポート試験の出題範囲は、「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3つの分野あります。

それぞれ分野において、バランスよく知識を身につけることが求められています。

分野 説明
ストラテジ系
(経営全般)
・企業と法務
・経営戦略
・システム戦略
マネジメント系
(IT管理)
・開発技術
・プロジェクトマネジメント
・サービスマネジメント
テクノロジ系
(IT技術)
・基礎理論
・コンピュータシステム
・技術要素
ITパスポート試験シラバス

試験範囲についてさらに詳しく確認したい方は、リンク先の公式サイトをご覧下さい。

【試験内容の詳細はこちら】

5.1 ストラテジ系(経営全般)

企業活動や法務、経営、そして企業のシステム戦略についての知識分野です。

ストラテジ(strategy)とは日本語で「戦略」という意味を表しています。

ITパスポート試験では、企業のシステム戦略や経営戦略、知的財産権・個人情報保護などの法務、マーケティングについてなど、働くうえで知っておきたい知識が問われます。

5.2 マネジメント系(IT管理)

システムやソフトウェア開発プロジェクトのマネジメント方法における知識分野です。

エンジニアを目指す人は、将来的に、開発技術やプロジェクトマネジメントに携わることが多くなるので、重視されています。

ITパスポート試験では、開発の手法や流れ、プロジェクトの管理方法に加えて、システム監査の概要や流れなども問われます。

5.3 テクノロジ系(IT技術)

ITの基礎となるコンピュータの仕組みに関する知識です。

テクノロジ系は、数学からPCの仕組み、セキュリティ、ネットワーク、データベースまで、IT技術を身に付けます。

ITパスポート試験では、二進数などの基礎理論から始まり、アルゴリズム、コンピュータの構成、そして近年のITには欠かせないネットワークやセキュリティなどの知識まで幅広く問われます。

6.申込みの流れ

ITパスポート試験の申し込み方法は、他の情報処理技術者試験とは異なります。

1.Webサイトにて、利用者ID・パスワードを登録します。(郵便、電話、FAX等による申込不可)

【利用者ID登録ページ】

※このIDは今後マイページにログインするため必要になるので、保存しておいて下さい。

2.登録したIDを用いて利用者メニューへログインし、「受験申込」を選択します。

3.希望の地域・試験会場・試験日・試験開始時間を選択します。

※同時に複数回の試験を申込むことは出来ません
※受験申込完了後に、CBT方式試験から特別措置試験への変更はできません

4.支払い処理が終われば、申し込み完了です。

受験票の送付はありません!メールで送付されてくる確認票を、自分でダウンロード&印刷して会場へ持参します。

印刷できない方は、受験番号、利用者ID、確認コードの3点を控えて行けば問題ありません。

7.受験当日

試験当日の会場での行動は次のように意識してください。

7.1 当日の流れ

試験当日の会場に到着してからの流れは次の通りになります。

1.試験開始の30分前から受付開始します。

2.会場の受付では、確認票と免許証などの顔写真付き本人確認書類を提示してください。
(公的証明で有効期限内のもの限定です。コピー不可)

3.受験用のPCに受験番号、利用者ID、確認コードの3点を入力してログインします。

4.試験を行います。

5.試験が終了すると、すぐに採点が行われ試験結果が表示されます。

7.2 試験の注意点

机の上に置けるものは次のものと決まっています。

  • 本人が準備:確認票、ハンカチ、ティッシュ、目薬
  • 会場が準備:メモ用紙、シャープペンシル

なお、腕時計は使用を禁止されていますので、カバンの中にしまうようにして下さい。

8.結果発表と合格証書

当日に採点が表示されるので結果はスグに分かります。

正式な合格発表は試験の翌々月の月初に公式サイトに掲載され、官報にも掲載されます。(不合格通知はありません。)

合格証書は、合格発表から約1週間後に発送されます。

9.ITパスポート試験合格に必要な勉強時間

今後の学習計画を立てるにあたって、おおよその目安時間を説明していきます。

特に、 ITの学習経験の有無によって大きく差がでるため、それぞれのパターンで解説します。

個人によって幅があり、「20時間で合格可能」という方から「150時間必要」という意見もありますので、勉強時間は目安として捉えて下さい。

試験勉強をはじめる前に、「1日何時間勉強して、いつまでに取得を目指すか」など目標を明確に決めて、計画的に学習することをオススメします。

9.1 IT未経験者

50~150 時間程度と考えておくとよいでしょう。

IT未経験者の場合だと、それなりに難易度は高くなります。

一般的に、PC慣れしていると、30~50時間程度必要とな方が多くいます。ただ、知識ゼロからだと150時間かかることもあります。

普段、どのくらいPCに触れているかにより、個人差があります。

IT未経験者の勉強時間(目安)

  • PCを普通に使っている方: 50~100時間程度
  • PCを余り使わない方:100~150時間程度

9.2 IT学習経験者

20~50 時間程度と考えておくとよいでしょう。

IT学習経験がある場合だと、全体的には簡単といえる内容です。

ただ、ストラテジ系やマネジメント系などはIT系のスクールでも学ばないことが多いため、注意して下さい。

知らない用語を覚えることがメインなため、所要時間は20時間程度の方が多くいます。

IT学習経験者の勉強時間(目安)

  • 社会人(ストラテジ系・マネジメント系)の知識がある方:20~30時間程度
  • 社会人(ストラテジ系・マネジメント系)の知識のない方:30~50時間程度

10.ITパスポート試験の勉強法

整理図

試験合格にむけて、どのような勉強をしていけばよいのでしょうか。

ITパスポートに限らず、多くの学力試験において重要な勉強方法が、次の2つをバランスよく繰り返すことです。

  1. インプット
    →テキストなどを読んで知識や考え方を頭に入れる学習
  2. アウトプット
    →実際に問題を解いて問題慣れしたり、出題のパターンを知る学習

あらゆる試験において、どちらが不足しても本番の試験で合格に達することは難しいでしょう。

ITパスポート試験に一発で合格するためには、どのようなバランスで勉強の計画を立てるかが、合格ラインに到達できるかできるかの分かれ目となります。

この最適バランスのビジョンを持つための、おすすめの勉強方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

10.1 独学勉強方法

ITパスポート試験の勉強法は、以下のサイクルがおすすめです。

特に、独学で合格を目指す場合は、はじめに試験当日までの入念なスケジュールを立てることが大切になってきます。

スケジュールが決まれば、毎日どこまで進めればいいのか明確になり、苦手分野を後回しにしてしまう・・・という状況も無くなるでしょう。

  1. 大まかな学習スケジュールを立てる
  2. 参考書・問題集で基礎を固める
  3. サイト・アプリでアウトプットする
  4. 過去問で試験に慣れる

以上を繰り返すことで、非常に効率よく学習を進めることができます。

10.2 参考書・問題集の選び方

独学でITパスポートの試験勉強を始めようと考えている方の中には、似た参考書ばかりで何を選べばいいかわからなくなっている方も多いと思います。

参考書選びのポイントには、次のようなものです。

POINT

  • 未経験者でも理解しやすい参考書
  • 最新版の参考書
  • 参考書と問題集の両方が必要

もし、間違った参考書選びをしてしまうとモチベーションも下がってしまい、勉強が続かなくなってしまいます。

なるべくイラストベースで、わかりやすく解説された参考書などを選ぶとより効果的でしょう。

こちらの記事のテキストから選ぶことをおススメします。

10.3 勉強サイト・アプリの活用

参考書・問題集だけでなく、勉強サイト・アプリを利用すれば、過去問や専門用語をアウトプットする練習ができます。

  • 過去問が解けるアプリ
  • 過去問が解けるWebサイト

スマートフォンアプリは通勤・通学中の隙間時間を有効活用できますし、無料学習サイトは問題集や専門用語集などが充実しています。

自分に合った学習サイト・アプリを効率的に活用してみてください。

まとめ

ITパスポート試験は、ITに関する基礎知識が理解できていることを証明できる資格です。

また、単にIT技術を証明するものだけでなく、社会人としての信頼に繋がるため、技術職でなくても通常の生活を送る上でも必要な知識となります。

改めて学ぶことで「おお、実はこうだったのか!」と気付ける面白さがきっとあるはずです。

これからの時代、IT・情報技術はより重視されます。どうぞ、積極的に受けてみませんか。

この記事をここまで読んで頂きありがとうございました。

最後に、21世紀を生きてゆく皆様へ、私が尊敬する宮沢賢治の言葉を送らせてください!

「さあ、切符をしっかり持っておいで!!」




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