日本がこんなにも酷くITが遅れた原因は?|【危機感】ものづくり大国日本
2020年のコロナショックで、日本のITの遅れが一気に浮き彫りになってましたね。
これまでは、なんとなく生活しているなかで、スマホやSNSが拡大していて、日本がITに後れているとは思わなかったかもしれません。
コロナ禍で政府の特別低額給付金や持続化給付金の支給などが大幅に遅れました。
コロナ渦でリモートワーク中に、「ハンコをもらうためだけに出社する」という笑える話もあります。
IT遅れの恐ろしさを目の当たりされた方も多いのではないでしょうか!?
・日本はなにが間違っていたのか?
・日本の危機状況!
こういった観点から、この記事では、日本がITに遅れてしまった問題について見てみますね。
-Contents-
日本が「IT遅れ」になった原因は?
日本のIT技術が遅れた原因は、次に示す5つの原因があります。
- 日本人の英語への苦手意識
- 日本流ものづくりのプライド
- 日本の大企業体質の固化(公務員化)
- 日本人オタクは偏見される
- 日本企業の非グローバル化
いずれか一つ解決したら改善できるという問題ではありません。
まずは、現状どのような原因があるのかを把握して、改善できるところから対応していくことが近道でしょう。
これから、5つの原因について説明していきますね。
1.日本人の英語への苦手意識
プログラミング言語の多くは英語で成り立っています。
しかし、日本人は英語に対して苦手意識を持っている人が多くいます。
この原因にも、諸説あります。
ただ、学校では文法中心の教育がメインであり、全く発音の違うリスニングが難しく、勉強に嫌気がさしてしまう子どもが多くいます。
そこから、英語に対する苦手意識を植え付けているケースが多く見えます。
しかし、英語圏や英語教育の上手い国の人は、わざわざ英語を勉強しなくても、プログラミングに用いられる言語を把握できる状態です。
結果として、日本人は、英語で成り立っているプログラミングに馴染めなかった・・・という状態です。
2.日本流ものづくりのプライド
日本のものづくりは、機械(メカニズム)技術を得意としています。
コンピューターは、ハードウェア(機械)とソフトウェアで成り立ちます。
ハードウェアとは視覚で認識できソフトウェアは視覚で認識できません。
ハードウェアは、形のあるものです。
例えばパソコンのモニターやハードディスク、キーボード、マウス、プリンターなどをいいます。
人間に例えると「身体」にあたります。
一方、ソフトウェアは、形のないものです。
コンピューターを動かすためのプラグラムなどをいいます。
人間に例えると「心、意識、神経、知識、能力」などにあたります。
日本は、戦後(第三次産業革命)で「ものつくり大国日本」としてハードウェアである製造業で世界を引っ張りつづけ、「ものづくり」へのプライドを築きてきました。
その反面、ソフトウェア(プログラミング言語)の開発には、完全におろそかにしたことが、IT遅れの原因になってしまったと考えられます。
3.日本の大企業体質の固化(公務員化)
日本では、公務員をはじめ、大企業にも多く見られる年功序列体質が根強い問題になっています。
大企業病や公務員では、「おじさんが支配する世界」です。
彼らが命を掛けているのは「肩書き」だけで、○○部長と呼ばれることです。
もし、役職を言い間違えると怒鳴り上げます。
その上、自分の仕事にしか興味が無く、決定権のある立場でありながら会議に出席しない、といった企業の発展が阻害されている状態です。
そんな、おじさん部長たちは、DXの意味も分からず、ひどい時はExcelやWordも使えない人もいます。
そのため、ハンコと紙データを愛してやまみません。
こんな状況では、ITはより遅れてしまう原因ですね。
これは、決して大企業だけに起こるものではありません。中小企業やベンチャー企業でも発生する可能性があります。
4.日本人オタクは偏見される
日本人は、オタク気質の人を変人として偏見してしまう傾向があります。
「ITの専門知識を深めようとする人」=「オタク」として人を偏見してきた背景もあります。
これらの背景には、戦後の日本では、趣味を持つことを道楽として、趣味分野をオタクと呼び、子供たちに強く規制してきました。
そのため、専門的知識を深めた人を「オタク」と呼び、気持ち悪い人であるのように偏見していることが多かったこともあります。
IT関連も「PCオタク」として、偏見されていたことが、日本のIT遅れの原因にあると考えられます。
しかし、今では日本の文化とされ少しずつ理解されはじめ、「アニメ」や「鉄道」などの専門知識を深めた人たちが日本に多く存在します。
5.日本企業の非グローバル化
日本の多くの企業は、海外のIT技術・IT人材を受け入れるグローバル化のための準備が整っていません。
しかし、IT人材が集まる環境がなく、IT技術での真のグローバル化とは言えない状況です。
日本企業は、日本の常識が世界の常識だと思っています。
真のグローバル化を目指すためには、各国の文化の違いを理解することは重要です。
日本語でのコミュニケーションが日常的なことは仕方ありませんが、グローバル化を目指す上で、外国人材への配慮が欠けないように意識改革も必要です!
世界各国から最先端のIT技術を求めてやってくる「留学してく優秀な学生」や「事業をしようとする企業家」などのグローバルな人材を受け入れる環境が大切になってきます。
ITに気づかされる日本の同調教育
2020年のコロナ感染拡大防止以降テレワークやオンライン講義への移行が必要となり、ビデオ会議が急速に広がりました。
その中、多くの企業や政府の対応を見ていても、日本のIT遅れが浮き彫りになってしまいました。
特に、IT遅れが顕在化したのは、教育現場です。
約150年間あまり変わってこなかった学校システムの慣習性が原因です。
日本の学校システムには、「先生がやれって言った方法と同じようにやる。波風立てたくないし・・・。」という空気を読みあう同調圧力があります。
学校システムにそぐわないような生徒は、いやな言葉になりますが、落ちこぼれ・吹きこぼれ問題を生み出していきます。
小1プロブレムが問題視されたのも、学校教育が個々や自由の実質化というものに向き合わなかったからですね。
こういった教育が、社会に出てからも上司に「ここをIT化したら便利なのに」と提案できない社風をつくってしまっています!
IT遅れで日本自動車メーカーの危機感
ITの遅れは、自動車産業でも危機感を隠せません!
アメリカと中国のIT企業が世界の時価総額ランキングで上位を独占するなか、日本の会社で唯一50位以内に入っているのはトヨタです。
そんなトヨタをはじめ、日本では自動車産業界は世界でもトップ技術を誇ってきましたが、なぜ危機の状況なのでしょうか?
現在は、「ITのトップ企業」のグーグル・アップル・フェイスブック・アマゾンの4社の頭文字を並べた「GAFA」が、世界の先頭を走っています。
いわゆるITジャイアンツと呼ばれる、世界屈指の企業ですね。
一方、日本は得意とする自動車分野でも、EV(電気自動車)など、次世代自動車産業において「日本自動車産業は出遅れている」という論調もあります。
その中、トヨタの豊田章男社長は、「100年に一度の大改革の時代」「勝つか負けるかではなく、生きるか死ぬか」という露骨な発言を繰り返したのは、日本産業全体に危機感を呼び掛けています。
そんな日本は、GAFAと自動車産業との関係を深めていかなければなりません。
近年、様々な分野で「〇〇年に一度」という言葉を耳にしますが、100年程度の歴史しかない自動車市場で「100年に一度」と表現されるのは最大の危機と言えます!
iPhoneやアンドロイドフォンの事業基盤を持つグーグルは、車載器との連携や、車載器自体のデータ活用も進んでいる状況です。
このまま、自動車がデータ産業の分野となってしまった場合、日本の自動車産業は「生き残れない」危機の状況です!
まとめ(日本のIT遅れ)
日本は、単にITが遅れているということではなく、最大の危機感をもたなければ生き残れない状況にあります。
そして、「日本がIT後進国になってしまった原因」は、日本特有の同調圧力や、英語に苦手意識を植え付ける教育システムなのでは?という事です。
コロナ渦を期に、ITに興味をもってくれる子供たちが増えている時が、これまでの日本の転機です!
これからも、日本が先進国であり続けるためにも、日本には「ものづくり大国」であり続けてほしいと願っています。