【未来へつなぐ】SDGsとは?|いま話題になっている理由は?

未来をより良いものにしたい!
これは、年齢・性別、宗教に限らず世界全体みんなの願いでしょう。
しかし、実際は、気象変動、貧困、生体系の異常など、未来は暗いという話しばかりです。
そんな近頃、よく「SDGs(エスディージーズ)」という言葉を聞きませんか?
ただ 言葉は名前は耳にするけれど 、「どんなものなの?」「何を解決するの?」って 実際の意味が少し分かりにくいですよね。
この記事では、具多的に何が目標で何をするのかを説明していきます。
-Contents-
SDGsとは?(SDGsの概要)
SDGs(エスディジーズ)は、Sustainable Development Goals の頭文字で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。
2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の 国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。
また、世界中の「誰かが欠けても成り立たない(leave no one behind)」という共通理念を掲げ、地球上にある豊かな自然や資源を保護しながら、あらゆる貧困を解消し、すべての人が幸せに暮らせる社会を未来に残していく活動になります。
2030年の世界、その先の未来に引き継ぐために、「自分ごと」として捉え、一人ひとりの生活や活動に浸透させていくことが大切です。
日本としても積極的に取り組んでいます。
- 世界をよりよい未来にする活動
- 日本語訳で「持続可能な開発目標」
- 誰一人でも欠けは成り立たない
- 2016年~2030年までの15年間で世界が達成すべき目標
持続可能な開発とは?
持続可能な開発は、「環境」と「開発」は、互いに反するものではなく共存し得るものとされた概念です。そのため、環境保全を考慮した上で、節度ある開発が重要であるという考えになります。
この概念は、 1987年に 「環境と開発に関する世界委員会」が、「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」 と定義しています。
つまり、未来を生きる人々も、私たちの生活と同じくらい環境の豊かな生活を送る権利があります。「今さえよければそれでいい」という考えはいけないということです。
そのために、互いに関連している「経済」「社会」「環境」の3つの領域を考慮した開発を進めていくことが重要だと示しています。
具体的には、17のゴール・169のターゲットから構成されています。
- 環境と開発は、互いに共存し得る
- 経済・社会・環境の3領域を考慮した開発が重要
- 17の目標・169のターゲットで構成
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子どもでも分かりやすく読むことができます。自分達が日常的に出来ることはないのか、色んなことを気づかせてくれる本です。タイトルは、こどもとありますが大人からみても読みやすく分かり易い本です。
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SDGsの17の目標
17の目標は次のように、4つに分類して説明していきます。
目標1〜6
人間らしい生活を送るための目標を示しています。

① 貧困をなくそう
② 飢餓をゼロに
③ すべての人に健康と福祉を
④ 質の高い教育をみんなに
⑤ ジェンダー平等を実現しよう
⑥ 安全な水とトイレを世界中に
貧困や飢餓、健康や教育、さらには安全な水など、開発途上国への支援が目標が掲げられています。
しかし、先進国の日本にも多くの課題はあります。
このように、日本などの先進国に対しても課題とされる目標です。
目標7〜12
社会経済に関する目標を示しています。

⑦ エネルギーをみんなに そしてクリーンに
⑧ 働きがいも経済成長も
⑨ 産業と技術革新の基盤をつくろう
⑩ 人や国の不平等をなくそう
⑪ 住み続けられるまちづくりを
⑫ つくる責任 つかう責任
クリーンエネルギー、働きがい・経済成長から、技術革新、まちづくりの話になります。まさに先進国や企業が取り組むべき課題が多くあります。一人ひとりの生活に密接に関係する目標が掲げられています。
SDGsの特徴である「環境と開発が互いに共存している」ことが伺えます。
目標13〜15
環境に関する目標を示しています。

⑬ 気候変動に具体的な対策を
⑭ 海の豊かさを守ろう
⑮ 陸の豊かさも守ろう
気候変動の話、大気海洋から生物多様性など、地球環境を対象とした課題になります。
目標16〜17
1〜15を達成させるための手段を掲げています。

⑯ 平和と公正をすべての人に
⑰ パートナーシップで目標を達成しよう
国や企業や人々の協力を呼びかけ、「SDGs」に向けて世界全体での協力を促しています。
SDGsの169のターゲット
ターゲットは、SDGs 17の目標を達成するための具体的な行動指針といえます。
全部で169のターゲットがあります。
「目標1:貧困をなくそう」に設定されたターゲット
どのような雰囲気で設定されているのか、ざっくりと見てみて下さい。
169ターゲット全てを紹介すると長くなるので、「目標1:貧困をなくそう」を例に紹介します。
ターゲット | |
---|---|
1.1 | 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。 |
1.2 | 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。 |
1.3 | 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。 |
1.4 | 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。 |
1.5 | 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。 |
1.a | あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。 |
1.b | 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。 |
「目標番号1.○」の○に入るのが、「数字」か「アルファベット」 で意味合いが変わります。
- 数字が入る場合(例:1.1など):「具体的な課題を挙げて、これを達成させましょう」という意味となります。
- アルファベットが入る場合(例:1.b):「課題を達成させるための手段や策」を指します。
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いまSDGsが話題になっている理由
それでは、なぜ今、SDGsは急に注目されはじめたのでしょうか?
その理由を3つのポイントからみていきます。
1.世界全体の環境危機が目の前に迫ってきた
地球環境は深刻な課題を数多く抱えています。
地球温暖化、異常気象や自然災害の増加、森林の砂漠化と水不足などが増してきて、 「なぜこんなにゲリラ豪雨が降るのか?」、「数百年に一度の水害・台風が毎年のように発生するのか?」と、地球の持続可能性が危うくなっていることに気づきはじめました。
生活を乱す異常気象や自然災害、環境危機にはSDGsの達成が必要な状況なのです。
2.ビジネスチャンスとして認知された
SDGsには、再生可能エネルギーへの転換や技術革新、といった新たな指針があります。
SDGsの実現には、世界で年間5兆~7兆ドルの資金が必要と言われています。すなわち、SDGsの取り組みは、世界中の企業の新市場を開拓することになります。
これまでのビジネスは「顧客のニーズ」に対してビジネスを生み出していましたが、社会問題に対してビジネス( アウトサイド・イン )が生まれるようになりました。
たとえば、水素自動車などの新たなエネルギー開発が行われています。
つまり、こうした流れから、SDGsをアピールする企業に出資する投資家が増えているということです。
3.企業の優秀な人材確保のため
若く優秀な人材ほど、社会の志向の変化に対応したいとモチベーションの高い人が多くいます。
- 自分も社会に貢献
- 多様性な社会への順応
【 自分も社会に貢献 】
安定や知名度以上に、「社会に良いことをしたい」という志向が高まっています。
そのため、SDGsに取り組んでいる、持続可能性を重視している企業を選んで就職活動を行う人材も増えています。優秀な人材の確保のためには、積極的にSDGsの導入に取り組む必要があるでしょう。
【 多様性な社会への順応 】
近年、グローバル化によって、私たちの生活の中ですれ違う人も様々な多様性が増してきています。
SDGsの正体は、値観も言語も宗教も異なる人たちが同じ世界の目標に向かうためにつくられた「共通目標」です。
多様性の時代において、共通目標は世界の連帯を取るために重要な目標となります。
このように、 SDGsでは、より身近に人材というキーワードがあります。人との積極的な取り組みの必要が求められています。
60分でわかる! SDGs
そもそもSDGsが何かを知りたい人から、企業で新規事業を検討している経営者や事業担当者や、投資家の方など、あらゆる方々の入門書として最適です。
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SDGs達成度の世界ランキング
2021年6月に、SDGsの17目標すべてを対象にした各国のランキングが発表されています。
1位から3位はそれぞれ、フィンランド、スウェーデン、デンマークと北欧の国が並んでいます。(出典:Sustainable Development Report 2021)
ランキングは毎年発表されており、日本は次のように推移で点数は伸ばしています。
- 2016年:18位(75点)
- 2017年:11位(80.2点)
- 2018年:15位(78.5点)
- 2019年:15位(78.9点)
- 2020年:17位(79.1点)
- 2021年:18位(79.8点)
日本は、18位でランクインし、教育・平和の項目で高い評価を受けています。しかし、ジェンダー平等・不平等の削減、気候変動においては低い評価で改善していかなければいけません。
上位にはヨーロッパ、下位にはアフリカを中心とした貧困状態にある国や、経済格差が大きい国などが多くなっています。世界的にも格差が深刻化し、2030年までにSDGsが世界中で実現するには、すべての国がペースを上げて取り組んでいく必要があります。
- 上位は、フィンランド、スウェーデン、デンマークの北欧
- 日本は、毎年点数を伸ばしている
- 日本は、まだ多くの課題がある
- 2030年までに世界中でSDGs実現にはペースUPが必要
日本のSDGsにおける取り組み
日本ではどのような取り組みをしているのでしょうか。
2016年5月に、安倍元総理を筆頭に「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」を設置し、そこで毎年「SDGsアクションプラン」という実施指針を設定しました。
「SDGsアクションプラン2020」は、次の3つから成り立ちます。
1.ビジネスとイノベーション
ビジネスとイノベーションは、企業のSDGs取り組みやESG投資(環境:E nvironment、社会:Social、企業統治:G overnance)を後押しなどを策定しています。
ここでは「Society5.0」に注目しています。
新たな社会( Society5.0 )を築く上で、全ての人とモノをつなげ、様々な知識を共有し、少子高齢化や地方の過疎化などの課題を解決していこうとするものです。
このような「Society5.0」をSDGsと連動させながら推進することで、目標達成を目指します。
2.SDGsを原動力とした地方創生、強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり
SDGsが目指す社会は未来志向の社会でもあり、新たな価値の創生も目標としています。
人口減少や高齢化が進む中、成長市場の創設や地域活性化なども課題となっており、持続可能なまちづくりに取り組むことも重要視されています。
3.SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント
SDGsの基本的な考え方として、貧困をなくすことや不平等を是正することがあります。子どもの貧困対策や教育振興、あらゆる分野における女性の活躍推進など、次世代に力をつけ、女性の力を引き出していくための施策が盛り込まれています。
日本のSDGs:それってほんとにサステナブル?
日本の「なんちゃってSDGs」を指摘して、SDGsの本質について考えたり、社会の問題点などに切り込んでいき、やる気にさせてくれる本です。
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まとめ(未来のために!)
SDGsは、普遍的な目標として「誰も置き去りにしない」という約束を掲げています。
2030年の世界を変え、その先の未来に引き継いでいくためには、SDGsを特別なものとしてではなく、「自分ごと」として捉え、それぞれの活動、生活の中に浸透させていくことが私たちの使命です。
そのために、現代を生きる人々の格差や差別をなくし、全ての人が豊かな暮らし送ることができる社会を実現しつつ、未来の世界を生きる人々が幸せな暮らしを送るための準備をしなければなりません。
最後に、新たな未来を守り続ける皆さんへ、私が尊敬する宮沢賢治の言葉を贈らせてください。
「世界がぜんたいが幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない!」